「もう寝る時間だから、今日は終わりにしよう」
「え〜、まだ遊びたい!」
こんなやりとり、我が家でも日常茶飯事。
親としては、子どもの健康や翌日のスケジュールを考えて“ちゃんと寝かせなきゃ”と焦る。
一方で、子どもは“もっと遊びたい”という純粋な気持ちがあふれている。
このすれ違い、突き詰めて考えてみると、
親の「よく(抑)」と、子どもの「よく(欲)」のぶつかり合いなのかもしれません。
親の「よく」は“抑える力”
大人になると、社会のルールや時間の感覚が身に付き、「やるべきことを優先する力」
が備わってきます。
遊びよりも睡眠、今の楽しいことよりも後のことを考える――
それは親として、ある意味“当たり前”の判断です。
だから、子どもの“欲”があふれたとき、「もうやめなさい」「今はダメ」と
抑える言葉が自然と出てしまう。
でも、それはすべて「ちゃんと育ってほしい」「困らないようにしてあげたい」という
愛情からなんですよね。
ただ、その“抑える力”が強すぎると、子どもの自由な心を押さえつけてしまうことも・・・。
気づけば、「ダメ」「やめなさい」が口ぐせになっていませんか?
子どもの「よく」は“欲しがる力”
子どもは、好奇心のかたまり。
楽しいこと、おもしろいこと、気になることにまっすぐに向かっていきます。
それが「もっと遊びたい」「まだ寝たくない」という“欲しがる力”となって表れる。
もちろん、そのまま放っておくわけにはいきません。
でも、子どもが“まだやりたい”と泣いたり怒ったりするとき、その奥には
「もっと楽しみたい」という純粋な心があるのだと、忘れないようにしたいなと思います。
子どもの成長は“抑”と“欲”のあいだで育つ
「思いっきり遊んで、思いっきり眠る」
「欲しいものが全部は叶わないと知る」
そんな経験のひとつひとつが、子どもの中に“自分を調整する力”を育てていく。
つまり、親の「抑」と子どもの「欲」は、ぶつかりながらもどこかで支え合っている。
それを「どちらが勝つか」という視点ではなく、「一緒にゴールを見つける」ような感覚で向き合えると、お互いに笑顔でいられる気がします。
完璧じゃなくていい
私たち親も、子育ての中で毎日迷って、悩んで、反省して。
でも、そうやって悩んでいるということは、ちゃんと子どもと向き合っている証です。
「つい怒っちゃったな」
「もっと話を聞いてあげればよかったな」
そんな後悔を繰り返しながら、少しずつ“ぶつからない道”を探していけばいい。

子どもの「欲」を大切にしながら、親の「抑」を少しだけゆるめて。
そのあいだにある“ちょうどよさ”を、親子で一緒に見つけていけたら素敵ですね。
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